内容説明
不均質な構造の物質は、その誘電率が測定周波数に応じて大きく変わる。この測定結果を、本書に述べる理論解析手順に従って解析すると、その物質の不均質構造のいろいろな特徴が明らかになる。このような手法を工業製品、生物体などに適用すると、壊さずに、そのままで、それぞれの内部構造、およびその時間変化を知ることができる。本書はこのような物性検知法の解説書である。すなわち、誘電測定の基礎概念から易しく説明し、個々の工業生産物や生物細胞などについて、処理解析の技法、結果の実用的解釈の仕方の実際例などを初心者にも理解できるよう解説している。
目次
第1篇 誘電現象の基礎概念と一般解析法
第2篇 誘電測定結果の解析と不均質構造の考察(CとGとの結合系;水中脂質二分子膜系;水中高分子膜系;水中逆浸透膜系 ほか)
第3篇 誘電測定結果の解析に必要な理論(平面層状二相構造の系;平面層状三相構造の系;球形粒子の希薄分散系;球形粒子の濃厚分散系 ほか)