内容説明
本書は、1970年代から80年代における租税支出概念の生成と発展を論じている。租税支出とは総所得からの除外、控除、課税の繰り延べ、特別税率などの方法によって特定の納税者に認められる税制上の優遇措置である。この概念は、財政の透明性確保には不可欠だが、本書ほど体系的に扱った研究書は多くなかった。本書で得られた知見には、日本財政にとって見過ごすことのできない示唆がある。
目次
第1章 租税支出概念
第2章 予算政策
第3章 租税政策および税務行政
第4章 租税支出と直接支出プログラムの選択
第5章 裁判における租税支出の概念
第6章 国際的側面
第7章 租税支出分析の概念的側面
著者等紹介
サリー,スタンリー・S[サリー,スタンリーS] [Surrey,Stanley S]
米国ニューヨーク州生まれ。1932年にコロンビア大学ロースクールを修了後、米国財務省等を経て、カリフォルニア大学バークレー校ロースクール、ハーバード大学教授を歴任する。この間、シャウプ税制使節団として日本の近代税制の開発にも取り組み、その基礎を築く。特に財政学、租税法、租税政策の分野で多数の著書、論文を発表している。1984年(73歳)没
マクダニエル,パウル・R[マクダニエル,パウルR] [McDaniel,Paul R]
米国カンザス州生まれ。1961年にハーバード大学ロースクールを修了後、米国財務省勤務を経て、ボストン・カレッジ・ロースクール、ニューヨーク大学、フロリダ大学ロースクール教授を歴任する。本書の共著者であるサリーがハーバード大学で教鞭を執っていた頃に同校の学生だったこともあり、租税政策分野等で共著も多い。2010年(74歳)没
八木原大[ヤギハラダイ]
1973年生まれ。大東文化大学社会学部専任講師、博士(経済学)。専攻:財政学、公共政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)