目次
複文構文とその内包する言語事象―機能論的研究の立場から
1 動詞接続辞の展開的機能をめぐって(限定的評価判断表現の諸相―「‐だけに」、「‐だけあって」とその周辺;「ある」の後置詞化と状況の指示的特性―「‐とあって」と「‐にあって」の意味と用法;形式化のすすんだ動詞テ形接続辞の類型的研究 「‐をみすえて」などの用法を例に)
2 条件構文における主観性をめぐって(条件性と状況・事態、観察、把握―ト条件構文の事象性、伝達性を中心に;ナラ条件構文の特殊用法について―“前提”と“確認”の意味の交渉;複合辞からみた条件構文の周辺 「‐だけで」、「‐しだい(で)」などを例に
特殊否定条件構文とその発話意図 「‐ないことには」などを例に)
3 展開構文における発話意図をめぐって(状況・推移をあらわす「ナカ」の含意性―事態情報の導入的機能を中心に;ヴォイスの中核とその周辺―文展開にかかわる情意性の観点から;名詞述語文の発話意図をめぐって 時の“特化”をあらわす類型を中心に)
4 比較、並列構文における意味的な拡張(比較、対比をあらわす副詞・副詞節と発話意図―「まして」、「‐どころか」などを例に;事態の対比と併存の表現をめぐって―“比較”と“特立”を中心に;列挙、例示、無条件の意味構造 「‐であれ」、「‐といい」などを例に;文展開における付加・累加表現の諸相 「‐はもとより」、「‐はおろか」などを例に)
補論(文の通念と含意について―文の認識と認定をめぐる覚書;日本語の反復・並列形式と強調の類型―語彙的反復と構文的反復の観点から)
著者等紹介
田中寛[タナカヒロシ]
東京外国語大学大学院外国語学研究科日本語学専攻(修士課程)修了。博士(文学)。中国・湖南大学外国籍教員、文教大学教員を経て1998年より大東文化大学外国語学部教授。英国ロンドン大学学術訪問研究員。北京外国語大学特別研究員。湖南大学客員教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)