内容説明
アナロジーから基礎づけへ―多数の微視的な要素の世界と、巨視的な物質の世界とを関係づける、統計力学。マクスウェルやボルツマンによる気体運動論との差異を踏まえつつ、その歴史と意義を丹念に追跡。アンサンブル概念はいかに誕生・発展し、フォン・ノイマンによる量子統計に到ったか?可逆なミクロと不可逆なマクロの関係史。
目次
第1章 気体運動論の困難からアンサンブルへ
第2章 「力学的アナロジー」とアンサンブル
第3章 ギブス『統計力学の基礎的諸原理』
第4章 『諸原理』への応答
第5章 古典統計力学の諸相
第6章 状態和と分配関数
第7章 量子統計の時代におけるアンサンブル
著者等紹介
稲葉肇[イナバハジメ]
1985年愛知県に生まれる。2007年京都大学文学部卒業。2012年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2015年京都大学博士(文学)。2018年明治大学政治経済学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
アナロジーから基礎づけへ――。時間的に可逆であるミクロな多数の要素と、不可逆なマクロとを関係づける、統計力学。マクスウェルやボルツマンによる気体運動論との差異を踏まえつつ、その歴史と意義を丹念に追跡。アンサンブル概念はいかに誕生・発展し、フォン・ノイマンによる量子統計に到ったか?