内容説明
大正期の大阪市は、近代化の中での商工業の発展とともに、文化・創造の活動を中心とする自由都市を形成していた。その旗手を務めたのが第6代大阪市長、池上四郎(1857‐1929)である。港湾や道路計画といったハードなインフラとともに、教育・社会事業などのいわばソフトなインフラを通じて人的能力を高めうる良質の市民育成を目指したが、数々の事績の根本に通底する思想を、池上四郎と縁故をもつ経済学者が明らかにする。
目次
序章 学習創造都市の誕生―夏目漱石が大阪に来た時代
第1章 日本における都市計画構想の源流―その発見と現代的課題との関係を考える
第2章 大阪市における都市計画構想の原点―池上四郎の都市計画構想
第3章 すべての市民を中流以上に―都市社会政策・文化政策の土壌形成過程
第4章 池上四郎の社会事業―文化資本を学習して身につけた市民に出番を
第5章 地域コミュニティ協働事業論の創造的展開
第6章 日本における都市計画構想―大正期・大阪市から創造都市論の原型を探る
著者等紹介
池上惇[イケガミジュン]
1933年大阪市生まれ。京都大学名誉教授、福井県立大学名誉教授、京都橘大学名誉教授。現在、国際文化政策研究教育学会名誉会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
池上 惇[イケガミ ジュン]
著・文・その他