内容説明
経済史を、「国民経済」で語ることはできるのか?克明精緻な分析が、国境をこえた経済空間を描きだす。ドイツとネーデルラントの国境を挟む地域間の経済協力組織「エウレギオ」。国境を越え「河」によって展開するその動態を綿密・詳細に分析することで、この地域に潜む本来の経済空間「原経済圏」をとらえる。微細におよぶドイツ地域経済の現状分析は、経済史研究に新たな視座を導入する。エウレギオのすべてを詰めた膨大な研究の蓄積。
目次
問題提起と方法的準備
ドイツとネーデルラント
エウレギオeuregioの形成
EUREGIO
Euregio Rhein‐Waal/Euregio Rijn‐Waal
euregio rhein‐maas‐nord/euregio rijn‐maas‐noord
Euregio Maas‐Rijn/Euregio Maas‐Rhein/Euregio Meuse‐Rhin
Eems‐Dollard‐Regio/Ems‐Dollart‐Region
エウレギオとヨーロッパの「地域」
CEおよびEC/EUの地域政策
エウレギオと原経済圏
著者等紹介
渡辺尚[ワタナベヒサシ]
1937年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。京都大学経済学博士。京都大学経済学部教授、東京経済大学経済学部教授を務めた。京都大学名誉教授。専門はヨーロッパ経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
国境に規定された「国民経済」は、経済史をみるうえで本来的な視座だろうか。実態としての経済空間「原経済圏」を求めて、ドイツとネーデルラント間の経済協力組織エウレギオの動態を精緻に分析。経済空間は国境をこえてどこまで一体として描けるのか―。膨大な研究の蓄積はドイツそしてヨーロッパ経済を知るうえで必読。