内容説明
イギリス近代思想の特質を「啓蒙」概念から分析する。啓蒙の起点としての自由な個人による世界の認識、知的・道徳的発達の問題を解明し、啓蒙の基盤となる経済的豊かさを実現するのに、勤労と生産が重要と強調する経済認識の展開過程を明らかにする。
目次
第1部 啓蒙の起点―自由な個人による認識と社会(啓蒙の父としてのジョン・ロック;イギリス経験論からスミスの認識論へ;視覚の社会化―「観察者」視点の生成と変容;アダム・スミスにおける「観察者」と社会)
第2部 啓蒙の基盤―勤労に基づく所有、経済、社会(スコットランド啓蒙における所有思想の展開―ロックの影響を中心に;勤労の育成―初期啓蒙と経済認識;重商主義における野蛮と啓蒙―「帝国」の政治経済学;経済学形成期における労働=生産思想;ヒュームとスミスの「公共性」概念)
著者等紹介
生越利昭[オゴセトシアキ]
1946年新潟県に生まれる。1970年静岡大学卒業。1975年神戸商科大学大学院経済学研究科博士課程修了。1975年神戸商科大学助手。その後、講師、助教授、教授。1992年博士(経済学)。2004年神戸商科大学の統合により兵庫県立大学教授。2012年兵庫県立大学退職(名誉教授)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)