内容説明
想像力は日常から我々を「解放する」力である。詩人は自らの言葉を世界に投企し、新しい可能性を模索する。日常の世界から一旦は断たれ、なお日常の世界の中に生の可能性を開こうと志す。本書は信仰詩と古今の著名詩人とを対比させながら、世界と現実との出会いを新たな世界、より良い現実へと希求した刮目の「詩学」である。
目次
詩の自覚の歴史―四つの文化圏から
ドイツ・コラールの成立―ルターと宗教改革
ドイツ・コラールの展開―ヘールマンとゲルハルト
自然詩の成立―クラウディウスとブロッケス
山の形而上学―リルケとヘルダーリン
神への問い―ドイツ現代詩を辿って
詩のなかの「私」―ベンとエリオット
二人称の詩学―「現代」詩論・想像力について
神への問い・再び―苦の意味を問う
「問い」と「呼びかけ」―宮沢賢治における
屹立する詩精神―伊藤静雄とヘルダーリン
屹立から歩行へ―秋谷豊におかる「帰郷」
「呼びかけ」に応えて―詩人 内村鑑三
著者等紹介
川中子義勝[カワナゴヨシカツ]
1951年与野市に生まれる。詩集、詩絵本、評伝、評論など。所属、「ERA」、「嶺」、「彼方へ」編集同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)