商品説明内容説明
少年は見た!想像を絶するソ連兵の蛮行。爆撃、襲撃、復讐、暴行、略奪、強姦、極寒、飢餓、病気、そして死―。1945年、北朝鮮。ソ連兵から逃げる日本人家族の過酷な引き揚げを、少年の視点で描いた「慟哭の書」普及版化!!
目次
第1章 運命の岐路
第2章 亡国の民
第3章 マダム・ダワイ
第4章 民族受難
第5章 落ち穂
第6章 生存の条件
第7章 この世の地獄
第8章 早春の哀歌
第9章 ああ、三十八度線
著者等紹介
清水徹[シミズトオル]
1930(昭和5)年、京城府錦町に生まれる。京城竜山小学校〜清津国民学校を経て羅南中学3年時に終戦。城津、咸興で抑留生活、昭和21年5月、38度線を脱出。静岡県へ引き揚げる。帰国後、三ヶ日実業学校を卒業。豊橋市の新聞人・杉田有窓子の知遇を得て「東三新聞」(現・「東日新聞」)に入社。24歳のときに結婚、一男一女をもうける。新聞記者の後、衆議院議員秘書として東京に移る。後に出版事業を経て、豊橋市に戻り、東三河開発懇話会常務理事・事務局長、東三河地域研究センター専務理事などを務める。2019年6月22日逝去。享年88(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
東京都立大学名誉教授 鄭 大均 解説
少年は見た! 想像を絶するソ連兵の蛮行
爆撃、襲撃、復讐、暴行、略奪、強姦、極寒、飢餓、病気、そして死ー。
1945年、北朝鮮。ソ連兵から逃げる日本人家族の過酷な引き揚げを、少年の視点で描いた「慟哭の書」普及版化!!
本書に書かれてあることは東日本大震災の体験というよりは、今日のウクライナ難民の体験に近いもので、
それは日本帝国崩壊の過程でいまや異郷となった戦場の地を逃げ惑う体験であり、収容所や避難所での生活があるといっても、
それは家族や同居者が高熱にうなされ、土色の皮膚に変わり、ある日、ある一家が消えるように死んでいく体験であった。
ー東京都立大学名誉教授 鄭 大均
はじめて別館で女性が要求されたときのことー。
「マダム、イッソ、ヤポンスキーマダム、イッソ?」(イッソは朝鮮語で、「いるか?」の意)
二人の若い兵隊が入って来るなり、そういった。二人とも自動小銃を構えていた。例によって、みんなは一斉に両手をあげた。
ぼくは初め、兵隊のいっていることがよくわからなかったが、彼らが何回もそれを繰り返しながら女の人を探すような様子をみせたので、やっぱりロスケは女の人を連れ出そうとしているんだな、何という下劣なヤツだ!とにらみつけてやった。 (本文より)
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