1945 わたしの満洲脱出記―かみかぜよ、何処に

著者:稲毛 幸子【著】
出版社:ハート出版

商品説明

内容説明

婦女誘拐、強姦―ソ連兵に狙われた若い娘たち。昭和二十年八月九日。凄まじい爆音が鳴り響いた。ソ連軍参戦によって満洲、北朝鮮にいた日本人の運命は一気に暗転した。もはや残り少なくなった体験者の一人としてこの記憶はぜひ遺しておかなければならない。大正生まれ、99歳の女性が戦争を知らない世代に贈る“遺言”。



目次

北満の北安
ソ連の宣戦布告
露兵がやってきた
舞う注射針
女露兵現る
腕時計と露兵の知性
婦女暴行と拉致
隣家の悲劇
終戦
顔に味噌を塗る
北安脱出
新京行きの車内で
大都市・新京
「死の収容所」で見た風景
三人の全裸の兵隊
新京での新生活
真田虫
娘たちに命を救われる
西陣織の袋帯
射殺
劇薬との闘い
「マンマ、マンマ」
母の言葉
阿片との葛藤
生き抜くための名案
新京の冬
濁酒の販売を始める
新京市街戦
神風よ、いずこに
引き揚げ開始
病院船の中で
日本上陸



著者等紹介

稲毛幸子[イナケユキコ]
1923(大正12)年1月1日、東京都に生まれる。出生した年に関東大震災があり、両親の故郷である山形県に引き揚げ。5歳時に両親の仕事の都合で仙台に引っ越す。19歳の時、同郷で10歳年上の男性と結婚。その後、満洲林産公社に勤務する夫について渡満。満洲北部の街・北安で終戦を迎え、その後満洲国の首都・新京へ移動。終戦後一年近く足止めを余儀なくされる。引き揚げ後は、実家のある仙台市へ。そのまま二年半の入院生活を余儀なくされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報



婦女誘拐、強姦ー ソ連兵に狙われた若い娘たち

もはや残り少なくなった体験者の一人として
この記憶はぜひ遺しておかなければならない

大正生まれ、99歳の女性が戦争を知らない世代に贈る遺言

昭和二十年八月九日。凄まじい爆音が鳴り響いた。
ソ連軍参戦によって満洲、北朝鮮にいた日本人の運命は一気に暗転した。

神風よ、いずこにー 嘘でもいいから吹いてきて欲しかった

”五族協和・王道楽土”
かつて、多くの日本人がこのスローガンの元、満洲(現 中国東北部)に渡った。
当時20歳だった幸子も夫とともに満洲に渡り、現地で産んだ二人の娘と慎ましくも幸せな生活を送っていたがー。
現在では数少ない満洲引揚者の生き残りとして、当時を赤裸々に語る筆舌に尽くしがたい体験談。
日本人が決して忘れてはいけない記憶、語り継ぐべき歴史がここに。

初めての露兵侵入以来、今日で五日目。日を追うごとに方々より色々と不穏な噂が次々と入ってくるようになりました。
これまでは物品の略奪だけでしたが、それだけでは済まなくなってきたのです。…(中略)…
私たちが一番恐れていた婦女誘拐、強姦がいよいよ始まりました。狙いは若い娘たち。彼等はこれまで各家に侵入し続け、
既に若い娘さんのいる家を把握していたのです。(本文より)




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