内容説明
人が忽然と消え失せる現象、神隠し。意図的な失踪や犯罪と思いきや、中には神域、異世界に行ったとしか考えられぬ話もある。自然の中にも街中にも、時には家の中にも異界へ繋がる扉は突如現れ、口を開く。山で鹿を追って迷い込んだ洞窟の先にあったのは…「産火」、東北の寒村で七年に一度子供が消える現象と川の中の異世界…「毒水の女神」、史跡公園に現れる白い花をつけた幻の巨木。それを見た者は異界と繋がる…「古墳公園」、駅の備品倉庫に封印されたロッカー。ある日、中から音が…「あけたら、しめる」、同じ家に棲んでいるのにすれ違い続ける兄妹…「その存在は、一枚の紙の如く」他、7つのシーンで起きた神隠しを気鋭の二人が紡ぐ異界怪談録!
目次
第一ノ扉 山林
第二ノ扉 海川
第三ノ扉 史蹟
第四ノ扉 旅宿
第五ノ扉 路駅
第六ノ扉 市街
第七ノ扉 家屋
著者等紹介
夜馬裕[ヤマユウ]
怪談師。怪談作家。3代目怪談最恐位(怪談最恐戦2020優勝)。カクヨム異聞選集コンテスト大賞。第7回幽怪談実話コンテスト優秀賞。インディと怪談師ユニット「ゴールデン街ホラーズ」を結成中。映画、猫、海の生き物、料理が好き
若本衣織[ワカモトイオリ]
第2回『幽』怪談実話コンテストで「蜃気楼賞」に入選。近年は様々な怪談会に顔を出しながら、自身が集めた怪談語りを行っている。趣味は廃墟巡り。狩猟免許を持ち、自ら山を駆け巡る怪談狩人。2023年『忌狩怪談闇路』にて単著デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
【山林】【海川】【史跡】【旅宿】【路駅】【市街】【家屋】
七つのシーンで起きた神隠し現象、謎の怪。
人智を超えた恐怖の異界怪談録。
人が忽然と消え失せる現象、神隠し。
意図的な失踪や犯罪と思いきや、中には神域、異世界に行ったとしか考えられぬ話もある。
自然の中にも街中にも、時には家の中にも異界へ繋がる扉は突如現れ、口を開く。
7つのシーンで起きた神隠しを気鋭の二人がそれぞれ持ち寄り紡いだ珠玉の異世界奇談!
◆第一ノ扉「山林」
・山で鹿を追って迷い込んだ洞窟の先にあったのは…「産火」(若本)
・霧の濃い日に新しい山の主が選ばれる言い伝え。霧に包まれ消えた息子は…「神殺し」(夜馬裕)
◆第二ノ扉「海川」
・波にのまれたサーファーが目を覚ますとそこは白砂利の浜で、懐かしい人に会う…「海底のまち」(若本)
・東北の寒村で七年に一度子供が消える現象と川の中の異世界…「毒水の女神」(夜馬裕)
◆第三ノ扉「史跡」
・史跡公園に現れる幻の巨木。それを見た者は異界と繋がる…「古墳公園」(若本)
・城跡の公園で徐々に透明になり姿を消した彼女はどこへ…「結界城址」(夜馬裕)
◆第四ノ扉「旅宿」
・家族旅行で行った温泉宿。館内を歩くうち奇妙な世界に迷い込んで…「彼方にて」(若本)
・失踪中の友人と互いの旅の軌跡をなぞりあう奇妙な遊び。友人の本当の居場所は…「待ってるよ、よこみちくん」(夜馬裕)
◆第五ノ扉「路駅」
・駅のトイレが奇妙な空間に繋がり出られなくなった男性。元の世界に戻るには…「午前八時十五分」(若本)
・駅の備品倉庫に封印されたロッカー。ある日、中から音が…「あけたら、しめる」(夜馬裕)
・T字路で事故を起こした者は皆、T字の先に幻の道と世界が見えたと言って…「魔の十字路」(夜馬裕)
◆第六ノ扉「市街」
・目覚めるとそこは無人の世界。不安に駆られて学校へ行くと自分の名を呼ぶ少年が…「ねむりのまち」(若本)
・いつもの商店街がループ空間に変じ存在しないお社が現れる…「妻を娶りて蛇の目が三つ」(夜馬裕)
◆第七の扉「家屋」
・からくり屋敷のような祖父の家を探検するうち少年は恐ろしい風景に出会う…「不正解の扉」(若本)
・同じ家に棲んでいるのにすれ違い続ける兄妹…「その存在は、一枚の紙の如く」(夜馬裕)