商品説明内容説明
近代の出発点となった明治維新において倒幕の主体となった旧長州藩士にとっても、新時代への対応は戸惑いと試行錯誤の連続であった。やがて彼らの中から地域振興の経済主体となる地方企業家(ローカル・アントレプレナー)があらわれ、近代企業を創成していった。小野田セメントを創業し、銀行や鉄道の経営にも参画した笠井順八。創成期にあった化学工業に進出した豊永長吉。長州・山口をフィールドに、近代産業の担い手となった地方企業家の果たした役割に注目し、明治期における産業化の過程を検証する。
目次
序章
第1章 近代移行期から明治中期における山口県経済の動向と企業勃興
第2章 明治前半期の山口県域における士族授産企業の設立と展開
第3章 旧長州藩士笠井順八の企業家活動―小野田セメントの創業と地域経済への関与
第4章 明治期地方企業家の成長と事業展開―旧長府藩士豊永長吉を事例として
第5章 日本舎密製造会社の事業展開
第6章 第百十国立銀行の創業と地域金融の展開
補論 近代企業の創成と持続的成長へと導いた経営者の役割―戦前期の小野田セメントを事例として
終章
巻末資料
著者等紹介
畠中茂朗[ハタケナカシゲオ]
1959年山口県下関市生まれ。九州国際大学経済学部卒業。山口大学大学院経済学研究科修士課程修了、修士(経済学)。山口大学大学院東アジア研究科博士課程修了、博士(学術)。早鞆高等学校教諭、九州国際大学非常勤講師、下関市立大学非常勤講師、山口県史編纂専門委員、山口市史編纂専門委員等を務める。専攻分野:日本経済史、経営史、金融史、企業家論。現在、早鞆高等学校教諭(地理歴史科、校史編纂を担当)。山口県地方史学会理事、山陽小野田市文化財審議会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
近代の出発点となった明治維新において、変革の主体となった旧長州藩士にとっても、新時代への対応は戸惑いと試行錯誤の連続であった。やがて彼らの中から地域振興の経済主体となる地方企業家(ローカル・アントレプレナー)があらわれ、振興の核となる近代企業を創成していった。「東京の渋沢の如し」と呼ばれた豊永長吉、士族授産の「サムライカンパニー」を大企業へと導いた笠井順八。長州・山口をフィールドに、近代産業の担い手となった地方企業家の実像に迫り、明治期における産業化の過程を検証する。
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