内容説明
幕藩体制下における庄内藩の芸能興行の実態とその構造を解明する。従来の近世芸能を対象とする「興行」の研究を布石とし、新たに「法楽」の概念を提示して、都市部・鶴岡、酒田の「興行」に郷村部・黒森の「法楽」を対比する。地域社会において独自に展開した芸能の存続・維持のシステムを、膨大な文献史料と形態資料をもとに分析・解明し、近世から現代にいたる長期的な視点でダイナミックに浮かび上がらせる。東北の芸術史に新たな光を投げかけた労作。
目次
序章 課題と視点
第1章 「興行」以前
第2章 興行の時代
第3章 長吏集団の構造
第4章 寺社、町方と興行
第5章 芸能の特徴
第6章 黒森芝居―「法楽」の近世
終章 庄内藩と芸能
著者等紹介
佐治ゆかり[サジユカリ]
1959年、愛媛県生まれ。東北大学文学部東洋日本美術史学科卒業後、福島県立美術館に学芸員として勤務(1983‐2012年)。この間、東京大学大学院人文社会系研究科・文化資源学研究専攻修了。現在、郡山市立美術館長。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)