目次
1 社会科学としての経済学を求めて―相原茂と玉野井芳郎、他
2 『資本論』に学ぶ―鈴木鴻一郎と岩田弘、他
3 農業問題と地代論の意義―大内力、渡辺寛、日高普、他
4 宇野理論の方法と現代世界の多重危機―巨匠宇野弘蔵をしのぶ
5 マルクス・ルネッサンスへ―M・デザイ、M・ドッブ、B・ローソンらとの対話
6 恐慌論と現代資本主義の危機―A・グリン、D・ハーヴェイとの交流
7 ソ連型社会主義の危機と崩壊―P・スウィージーとW・ブルスらに寄せて
8 金融化資本主義とサブプライム恐慌―C・ラパヴィツァス、G・ディムスキーとの協力
9 新古典派経済学との対峙関係のなかで―置塩信雄、レギュラシオン学派、SSA理論とともに
10 エコロジカル社会主義の意義―いいだもも、R・ポーリン、J・フォスター、斎藤幸平との協力
著者等紹介
伊藤誠[イトウマコト]
1936年生まれ。東京大学名誉教授。東京大学経済学部教授、國學院大學経済学部教授、国士舘大学大学院グローバルアジア研究科教授、日本学士院会員を歴任。宇野弘蔵の後継者として6冊の英文著書があり国際的評価も高い。2012年にThe World Association for Political Economy,Marxian Economics Awardを、2016年に経済理論学会・ラウトレッジ国際賞をそれぞれ受賞。2023年2月7日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
第一人者が思考し続けた、社会の未来とは−−
「……お世話になり影響をうけた多くの先生、先輩、友人に感謝しつつ、マルクスの『資本論』にもとづき、現代世界をいかに理解し、未来になにを期待するか、私なりに興味をもって学びとり、いまだに少しでも研究や思索を深めたいと願っている諸問題を再確認してみるのもよいかと思うにいたった。」(本文より)
日本におけるマルクス経済学の歴史だけでなく、ひとりの経済学徒として見てきた世界と現実を克明にえがき、最後まで見続けた経済学の行く末をも語る。まさに畢生の書。