内容説明
古事記、日本書紀、風土記から解き明かされる古代世界。本当に「ヤマト」は唯一の中心だったのか、出雲とはいったい何なのか、どのようにして歴史は描かれるのか。のこされたテクストを丁寧に読み解いたとき、これまでのイメージをくつがえす世界があらわれる。注目の気鋭による画期的著作。
目次
第1部 出雲世界―出雲国風土記を中心に(祭祀者としての出雲国造とその“神話作り”;杵築大社の成立―オホナムチをいつき祀る者たち;出雲国造の宇宙観―「天の下所造らしし大神」;天皇と出雲の神々―「詔」・「勅」の分析から;古事記と日本書紀―ヤマトからみたオホナムチと出雲)
第2部 古事記を読み直す(荒ぶる異界と対面する―神武天皇にみる熊野とヤマト;ヤマトの境を決めていく―崇神天皇にみる国作りと神祭り;出雲を訪問する御子―垂仁天皇にみる出雲大神の祭祀;ヤマトタケル―景行天皇にみる“建く荒き情”の意義;気比の大神を祭る―応神天皇にみる新王朝の誕生)
著者等紹介
マラル,アンダソヴァ[マラル,アンダソヴァ] [Maral,Andassova]
1982年、カザフスタン生まれ。2003年に名古屋大学日本語・日本文化研修コースを修了し、2004年にカザフ国際関係外国語大学を卒業。2013年に佛教大学大学院文学研究科にて博士課程を修了、博士(文学)学位を取得。2016年に国際日本文化研究センター外国人研究員として採択され、後に日本学術振興会外国人研究員として活躍。学習院大学非常勤講師、上智大学非常勤講師を経て現在はカザフ国際関係外国語大学講師、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員、国際日本文化研究センター海外研究員。古代神話における出雲とヤマトについて独自の視点から一貫して考究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
気鋭が解き明かす、もうひとつの神話世界。
古事記、日本書紀、風土記をつぶさに読み込み、そこにあらわれる言葉や登場人物の描き方を徹底的に分析したとき、私たちのしらないまったく新しい日本神話の世界があらわれる。少しずつそのかたちを変えながら成立した「ヤマト」の姿を、テクストから蘇らせる、注目の気鋭による挑発的な著作。