内容説明
アインシュタインが決して認めなかった、まったくあたらしい世界の姿。物理学の最先端にあらわれた、これまでの常識をくつがえす驚異の理論。そこには世界がひとつではなく多様であるという事実が描き出されていた。量子力学が描く世界とはいったい何か。量子力学の歴史と私たちをとりまく技術、社会、制度、教育などを深く結びつけながら、碩学がその大いなる可能性をさぐる。
目次
量子力学誕生から「黙って計算しろ」の時代へ
決定論からの脱出―一般理論のイデオロギー
冷戦時代の量子力学論議―「解釈することではなく、変革すること」
冷戦イデオロギー構図からの脱却―一九六〇年代末の転換
「不思議」をそのまま使う―量子エンタングル技術
「隠れた変数」からベル不等式―日本での反応を見る
EPR実験と隠れた変数説の破綻―確率的応答
プラグマティズムと量子力学―「見ないと、月はないのか?」
情報の「消去」で発熱―スパコン事件余話
スマホの武器は配られた―イットとビット
確率の語りにつき合う―倫理とワールドビュー
量子力学の社会学―福井謙一と「盤石な理論」
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年山形県鮎貝村(現白鷹町)生まれ。60年京都大理学部卒。京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、湯川記念財団理事長などを歴任。1973年にブラックホールの解明につながるアインシュタイン方程式におけるトミマツ・サトウ解を発見し、仁科記念賞受賞。1999年に紫綬褒章、2013年に瑞宝中綬章を受けた。京都大学名誉教授、元甲南大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
アインシュタインが決して認めなかった、まったくあたらしい世界の姿。
物理学の最先端にあらわれた、これまでの常識をくつがえす驚異の理論。
そこには世界がひとつではなく多様であるという事実が描き出されていた。
量子力学が描く世界とはいったい何か。
量子力学の歴史と私たちをとりまく技術、社会、制度、教育などを深く結びつけながら、
碩学がその大いなる可能性をさぐる。
佐藤文隆[サトウフミタカ]
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