内容説明
BLM運動が糾弾する奴隷制の歴史。アイルランド移民の軌跡を物語る遺骨。欧米の博物館を揺るがすベニン・ブロンズ。「知の脱植民地化」の最前線へ。
目次
第1章 ブリストルのコルストン像、引き倒される!(BLM運動がたぐり寄せる過去;引き倒されたコルストン像 ほか)
第2章 骨が語るアイルランド大飢饉(突然の過去;海を渡った移民たち ほか)
第3章 レディ・トラベラーへの旅(レディ・トラベラー;西アフリカを旅したメアリ・キングズリ ほか)
第4章 カリブ海の近代と帝国の未来(イギリス君主制のゆらぎ―女王と「不肖の息子」;スペインのイスパニョーラ島入植 ほか)
第5章 ベニン・ブロンズとは何か?(ベニン・ブロンズとベニン王国;イギリスの愚行とベニン王国の消滅 ほか)
著者等紹介
井野瀬久美惠[イノセクミエ]
1958年愛知県生まれ。人間文化研究機構監事・甲南大学名誉教授。京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻単位取得退学。博士(文学)。第23期(2014‐2017)日本学術会議副会長。大英帝国を中心に、(日本を含む)「帝国だった過去」とわれわれが生きる今という時空間との関係を多方向から問う研究を続けている。主な著書に『植民地経験のゆくえ』(人文書院、2004、女性史青山なを賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)