思想としてのファシズム―「大東亜戦争」と1968 (増補新版)

著者:千坂 恭二【著】
出版社:彩流社

商品説明

内容説明

中野正剛、内田良平、蓮田善明、三島由紀夫、そして赤軍兵士たち…。果して彼らは本当に冥府へと旅立ったのか。再度彼らを召喚し語ることによって新たな歴史の可能性を見出す。論攷を新たに3本追加し、久しく待たれた書の新版出来。



目次

1(中野正剛と東方会―日本ファシズムの源流とファシスト民主主義;内田良平と黒龍会―アジア主義の戦争と革命;世界革命としての八紘一宇―保守と右翼の相克)
2(一九六八年の戦争と可能性―新左翼、アナキズム、ファシズム;連合赤軍の倫理とその時代―「軍」と「戦争」の主張;蓮田善明・三島由紀夫と現在の系譜―戦後日本と保守革命)
3(二十一世紀の革命戦争―ファシズム・ホロコースト;革命は電撃的に到来する―大きな物語は消滅したのか;右も左も革命戦線異状なし―一九六九年高校全共闘から未来派の若い戦士へ;歴史の塹壕の中で―一九六八年闘争の暴力と現代)



著者等紹介

千坂恭二[チサカキョウジ]
1950年大阪市生まれ。思想家、評論家。1968年上宮高校在学中からアナキズム運動に参加。高校から浪人にかけて黒色高校生連盟、アナキスト高校生連合全国委員長や大阪浪共闘社会革命左派として活動。1969年10月1日、アナキスト革命連合(ARF)の一員として大阪芸大占拠封鎖の夜襲闘争に突入部隊として参加。その後、逮捕。1970年に反安保闘争で上京。闘争後、東京で新左翼としての思想活動を開始。1971年「戦後最年少のイデオローグ」として松田政男編集の『映画批評』に評論を連載。『情況』『現代の眼』『構造』『現代思想』等の雑誌で政治、文学、芸術について批評を展開。1987年大阪に戻る。1955年立命館大学文学部哲学科入学。1999年卒業。2014年から定期的に思想、政治、芸術に関する研究会を難波・千日前で行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

             「破壊への情熱は創造への情熱である」
              (バクーニン)
本書は、戦後、絶対悪として批判対象とされ、今なお、終身刑状態で思想の牢獄に幽閉されたままであるといっていい「ファシズム」について、それが何だったのか、歴史の重層性を踏まえて考察しようとしたものである。著者はこれまでエルンスト・ユンガーを通じてファシズムや現代の問題を追究してきた。そのことやユンガーの名は本書でも随所に登場するが、今回、主にとりあげているのは、日本における純正なファシズムとされる中野正剛と東方会、アジア主義としての内田良平と黒龍会、日本浪曼派と同時代に生きた蓮田善明とその感情的子弟ともいうべき三島由紀夫から、戦後の日本の新左翼、連合赤軍、アナキスト、右翼民族派などであり、極左から極右まで多岐にわたる。いずれも、既存の教科書的な理解や無難な見方とは異なる捉え方をしており、そのため同意される方と反発される方に分かれるかもしれないが、いずれにせよ、よくあるような問題の再確認や通説的納得ではなく、思考を再起動する刺激になればと考えている。久しく待たれた前書に三本の論攷を加え新版として刊行する。




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