内容説明
斑点だらけの腐ったバナナ以外何もないところから、サムは広大な帝国を築きあげた。それは、バナナ・カウボーイや傭兵部隊、ホンジュラスの小作農やCIAの諜報部員、アメリカの政治家たちの世界にまたがる大帝国だ。サムはグローバルビジネスの先駆者であり、英雄だ。ニューオーリンズの埠頭で奮闘したかと思えば、中央アメリカの政府を転覆させ、稀代のポピュリズム政治家ヒューイ・ロングと反目したかと思えば、合衆国政府の重鎮ダレス兄弟と手を結ぶ。そして、ついにはイスラエル建国の影の立役者となった。サムの生涯は、アメリカンドリームを体現している。本書をとおして、アメリカがアメリカたるゆえん、「アメリカの世紀」を象徴する物語をぜひ堪能してほしい。
目次
緑(セルマ;完熟バナナ;果物師;茶から緑へ;バナナは木にならない;タコ;ニューオリンズ)
黄(地峡;コリンズまで;革命しよう!;地峡往来;バナナ戦争)
熟(キングフィッシュ;クジラを食べた魚;ロス・ペリコス;バナナ、戦争へゆく;イスラエルをコシラエル;サクセス作戦;反動)
茶(残されたもの;ピッグス湾;クジラを食べた魚を地球が呑み込む;通りまで最速の道)
著者等紹介
コーエン,リッチ[コーエン,リッチ] [Cohen,Rich]
1968年、アメリカ・イリノイ州生まれのノンフィクション作家。コネチカット州で暮らす
岡久悦子[オカヒサエツコ]
英国在住。ロンドン大学バークベック・カレッジで応用言語学修士号取得。言語教育、教員養成に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)