内容説明
幕府の公式検屍官となり、傷ついた野良犬を治療するなど平穏な日々を送っていた蘭方医・沢村伊織のもとに、腕に怪我を負った男が訪れる。男は絵師で歌川国鴇といい、謎の武家に奇妙な仕事を頼まれ、それがもとで腕を斬りつけられたのだという。いきさつ自体も妙だが、なにより薄気味悪いのは武家からの依頼。殿さまの寵愛する側室が亡くなり、その陰部を形見として正確に写しとってほしい、というものだったのだ。なりゆきでかかわった伊織の探索は、やがて過去の北町奉行所で起きた血みどろの惨劇にたどり着く。いっぽう、伊織が検死した身元不明の亡骸は、また別の凶悪連続殺人の捜査へとつながっていくのだが…。シリーズ第十八弾!
著者等紹介
永井義男[ナガイヨシオ]
1949年生まれ、97年に『算学奇人伝』で第六回開高健賞を受賞。本格的な作家活動に入る。江戸時代の庶民の生活や文化、春画や吉原、はては剣術まで豊富な歴史知識と独自の着想で人気を博し、時代小説にかぎらず、さまざまな分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
コスミック時代文庫