内容説明
本所相生町の長屋に一人娘と暮らし、刀研ぎ師として生計をたてる安田平兵衛―。一見、安穏と日々を過ごす老人の風体であるが、平兵衛には裏の顔があった。金で人を斬る殺し人である。殺しの依頼を行うのは、極楽屋という一膳めし屋を営む島蔵という男。その島蔵の元を、自分の命を狙う刺客を始末して欲しいと、大店の旦那が訪れる。が、骨までざっくりと断つ凄腕というだけで、その正体は分からないという。雲をつかむような話だが、島蔵は平兵衛を頼る。見え隠れする悪党同士の対立、さらに混迷を深める刺客の恐るべき正体…。そしてついに平兵衛は、愛刀の来国光、一尺九寸を静かに抜き、因縁の相手と宿世の剣を交えることになるのだった!異彩を放つ人気剣豪小説、好評の第三弾!!
著者等紹介
鳥羽亮[トバリョウ]
1946年、埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業。1990年、『剣の道殺人事件』で第三十六回江戸川乱歩賞を受賞。デビュー後は、時代小説、とくに剣豪の分野で活躍し、第一人者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
コスミック時代文庫