内容説明
冷泉為長は京の名家の血筋を引く、やんごとなきお公家さま。はからずも北町奉行所隠密廻り春田猪之助の同心長屋の店子となり、猪之助の手下をつとめることになった為長。だが、猪之助らとともに男児誘拐事件を解決してかわら版に乗ったうえに、みずから主演の芝居に仕立てて大当たりしたため、江戸じゅうの評判に。老中に認められ、悪の跳梁を食い止める関所として励むよう命じられた為長。その名は悪しき者を闇にて成敗する公家隠密として町のうわさになっていく。そんなある日、賊に襲われて落命した兄の敵を討ってほしいと、死んだ旗本の妹がやってきた。すでに賊の正体を突き止めていた為長らは、咎人成敗に乗り出すが…。書下ろし第二弾!
著者等紹介
倉阪鬼一郎[クラサカキイチロウ]
1960年、三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。印刷会社勤務を経て98年より専業作家。ミステリー、ホラー、幻想、ユーモアなど、幅広いジャンルの作品を発表し、2008年『火盗改香坂主税影斬り』(双葉文庫)で、時代小説家としてデビュー。料理、俳句、音楽ほか多彩な知識を生かした作風は、多くの読者を魅了している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
コスミック時代文庫