内容説明
つらい仕事をぼやき、ため息混じりにとぼとぼと街を歩く北町奉行所の同心、亀無剣之介。冴えない風貌で周囲にはもちろんのこと、ときには事件の下手人からも軽んじられるが、なにを隠そうこの男、とんでもなく頭がよく、しかも執念深く悪を追いつめるという、天性の捕方同心とでも呼ぶべき男なのであった。今回、剣之介と相対するのは、腕のよい鏡職人、人気の町火消し、まじめな蕎麦屋。それぞれ完全犯罪となりえる完璧な犯行であったが、それらを超越する剣之介の頭脳が、犯人たちの計画をこなごなに砕いていく。しかもその果てには、剣之介と因縁深い男との思わぬ決闘が待っていたのだが…。傑作シリーズ、待望の新作!
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。93年『黒牛と妖怪』で第十七回歴史文学賞を受賞。時代・歴史・ミステリなど、多岐の分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
コスミック時代文庫