内容説明
まるで女に見間違うほど美しい顔立ちの龍次は、秘具、淫具、媚薬の類を扱う「卍屋」に身をやつし、今日も旅をゆく。彼が日本中を巡る理由はただ一つ。生き別れとなった運命の女、おゆうを捜しているのだ。だがその手がかりは、名前と年齢、そして背中に“姫様彫り”の鳳凰の彫物を施してあるということだけ。捜索は困難を極めたが、持ち前の美貌と“剛根”を駆使して女たちを哭かせ、達人技の脇差居合術で幾多の危難を克服していく。そして江戸に辿り着いた龍次は、ついに、おゆうに関する重大な事実を知ることに…!龍次の宿敵で、旅廻りの売薬人・達磨屋玄太の過去を書下ろした番外篇『濡れた娘』を収録。濃厚な濡れ場と凄まじい殺陣の傑作時代活劇!!
著者等紹介
鳴海丈[ナルミタケシ]
1955年、山形県生まれ。1985年、『聖痕者ユウ/薔薇のストレンジャー』(集英社コバルト文庫)で、作家デビュー。映画化、アニメ化された伝奇アクション『修羅之介斬魔劍』から時代小説を手がけるようになり、現代アクション物、官能物、漫画原作、脚本など、多方面で活躍。山手樹一郎、野村胡堂、柴田錬三郎、池波正太郎、笹沢左保、大藪春彦を敬愛する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
コスミック時代文庫