内容説明
「向後は大奥から幕政を支えよ」―まさに青天の霹靂であった。将軍毒見役の桂修理之亮は、老中首座・阿部正弘に突如、こう告げられる。新たな御役は、大奥を警護する御広敷役―。千二百石の大身旗本となる上、阿部の姓を名乗り、己の末弟にまでなって欲しいという。異例の大出世に戸惑いながらも、阿部修理之亮は、大奥に向かった。待っていたのは、御年寄・瀧山であった。大奥総取締である。そこで言い渡された職務は、奥向の女中と城外に出、大奥、そして公儀に仇なす者を共に探索し、成敗するというものだった。だが、徳川家のため意気揚々と立ち上がる修理之亮の眼前に、現将軍・家定が現れて…。大奥出入り自由の若侍が、特権を活かして暴れ回る、期待の新シリーズ!
著者等紹介
早瀬詠一郎[ハヤセエイイチロウ]
東京生まれ。学習院大卒。放送作家・脚本家として芸術祭、教育映画祭などの優秀賞を受賞。2000年、『萩大老』(新潮社)で作家デビュー。一方で邦楽の家に生まれ、「岡本紋弥」の名で古典浄瑠璃“新内”の継承者として全国を口演する伝統芸能者で、番組の語り手ナレーターでも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
コスミック時代文庫