内容説明
歓楽街である上野山下のとある店の中で、女の腐乱死体が発見される。しかも女は身ごもっていたようで、不幸にも、この世に産まれることなく、胎児も亡くなってしまっていた。当然のことながら、亡骸が見つかった店がなにか関係してくるものと思われたが、ここしばらくは休業状態…肝心の店主は、謎の失踪を遂げていた。簡単なようでいて、なかなか全貌がつかめぬ殺人事件を前に、同心の鈴木順之助は、蘭方医・沢村伊織に協力を要請する。冴えた推理で少しずつ謎を解き明かしていく伊織であったが、その裏には、おぞましい闇が隠されていた。好評シリーズ・第十弾!
著者等紹介
永井義男[ナガイヨシオ]
1949年生まれ、97年に『算学奇人伝』で第六回開高健賞を受賞。本格的な作家活動に入る。江戸時代の庶民の生活や文化、春画や吉原、はては剣術まで豊富な歴史知識と独自の着想で人気を博し、時代小説にかぎらず、さまざまな分野で活躍中。著書は百冊を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
コスミック時代文庫