内容説明
おぼろ夜の屋敷町で源太とお香に出会い、尼崎松平伊勢守の跡目騒動に巻き込まれてしまった浪人・又四郎。尼崎家では、三奸物が嫡子・寿五郎を廃し、妾腹の松之丞を立てて藩政を牛耳ろうと暗躍していた。お香の話によれば、寿五郎は下屋敷に監禁され、これを近習方七人衆とともに救い出さんと機会を窺っているという。だが時間がなかった!悪人どもが四日後に、松之丞を寿五郎の替え玉とし、将軍家の姫・喜久と見合いをさせようと画策していたからである。又四郎は急ぎ姫に協力を依頼するが、これが思いもよらぬ展開を引き起こすことに―!!国民的人気作家・山手樹一郎の名作を刊行する「山手樹一郎傑作選」。第二十一弾は、『浪人若さま颯爽剣』上下巻、二巻同時発売!!
著者等紹介
山手樹一郎[ヤマテキイチロウ]
1899年、栃木県生まれ。編集者を経て文筆生活に入る。1940年より新聞連載を始め翌年刊行の『桃太郎侍』が大人気を博し、時代小説家としての地位を不動のものとした。その後も読者を楽しませることに徹した明朗濶達、爽快な作風で国民的人気作家として活躍し、映像化作品も多い。1977年勲三等瑞宝章を受章、1978年永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)