内容説明
精神療法家、SSTに出会う。SSTを行う意味は何か、その本質・効果は?SSTを通じてクライエントの生きる力を援助する、そのための基本技術を易しく説く。
目次
わが国におけるSST発展への期待
精神医療の動向とSSTの役割
統合失調症とSSTの治療要因・効果について
日常生活能力とSST
患者がSSTで体験すること
集団としてのSST
SSTを普及させる土壌づくり
長期入院患者の社会復帰のためのSST
個人的ケアと集団過程の間―SSTとスポーツ療法・ロールプレイ
精神保健従事者としての基本的対人コミュニケーション技能
統合失調症者の不安とコミュニケーション
社会復帰カとSST
社会復帰要因としての関係性を築くこととSST
道具としての言葉の不完全性―SSTへの期待
当事者と家族の苦悩と不安への治療的かかわり
再発防止とSST
治療関係者などのスキルアップとSST
生きる力をいかに支えるか
SSTと心の内なる変化
喪失からの回復、そして自己実現にいかに関わるか
親密欲求と不可侵欲求のはざま―SSTの効用
コミュニケーションと自分―SSTの神髄
孤立・孤独の不安とSST
自らを語る意味―SSTの真価
著者等紹介
西園昌久[ニシゾノマサヒサ]
1928年福岡県生まれ。2022年4月19日ご逝去(93歳)。日本精神神経学会、日本精神分析学会、西太平洋地域医学教育連合、環太平洋精神科医会議、アジア児童思春期精神医学会、多文化間精神医学会、日本精神分析協会の会長を歴任。SST普及協会会長(1995年〜2013年)・名誉会長(2014年〜2022年)。PPST研究会会長(2000年〜2020年)。受賞学術賞など:1990年10月20日日本精神分析学会賞(古澤賞)。1996年10月3日1996 Alexander Gralnick Award for Excellence for Promoting Psychosocial Rehabilitation(アメリカ心理社会的リハビリテーション学会)。1999年7月29日日本医学教育学会医学教育賞(牛場賞)。2001年2月17日多文化間精神医学会賞。2003年5月22日アメリカ精神医学会Kun−Po Soo Award。2009年9月30日世界文化精神医学会Life Achievement Award。2010年9月4日日本スポーツ精神医学会功労賞
丹羽真一[ニワシンイチ]
精神科医師。専門は臨床精神医学一般。認知心理学、神経生理学を用いた認知障害研究と精神疾患死後脳研究が主な研究分野。1972年東京大学医学部卒業。1992年から福島県立医科大学教授。現在、福島医科大学・会津医療センター・特任教授。1987年からSST普及に従事。SST普及協会理事、2013年から会長
安西信雄[アンザイノブオ]
精神科医師。専門は精神科リハビリテーション、SST、認知行動療法。1973年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、都立松沢病院、国立精神・神経医療研究センターで勤務。2013年から帝京平成大学大学院で臨床心理士(師)教育に従事。SST普及協会では西園昌久会長のもと事務局長を務め、現在理事、副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)