内容説明
EUは1999年に単一通貨ユーロを導入し、経済・通貨同盟の第3段階に進んだ。しかし、欧州金融危機はEUの通貨制度の脆弱さを露呈させるに至る。本書は、欧州金融危機を契機とするガバナンス改革と改革後のEMUの第3段階の展開を考察し、EUの単一通貨制度の特質と問題点を明らかにする。
目次
序章 欧州統合と欧州単一通貨制度の軌跡
第1章 ユーロ圏の金融危機
第2章 EUの競争政策とギリシャの国家債務支払問題
第3章 第3次金融支援後のギリシャ経済
第4章 EUの経済ガバナンス改革
第5章 ユーロシステムの非標準的金融政策の展開
第6章 ユーロシステムの量的緩和金融政策の効果と副作用
第7章 欧州金融危機後の金融システムの強化と欧州銀行同盟
第8章 欧州銀行同盟の課題と将来
第9章 シャドー・バンキング・システムについて
第10章 EUのシャドー・バンキング・システム規制―市場規制を中心に
著者等紹介
松浦一悦[マツウラカズヨシ]
現在、松山大学経済学部教授、博士(国際関係学)。1963年熊本県生まれ。大分大学経済学部卒業。同大学在籍中、1984年に米国サンフランシスコ州立大学へ文部省国費派遣留学。1991年3月、同志社大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学。1991年4月より松山大学経済学部専任講師。同大学助教授、英国ケンブリッジ大学政治経済学部客員研究員を経て、2000年4月より現職。日本EU学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
EMUの深化がもたらす功罪
欧州金融危機を契機とした改革は,ユーロ圏の経済力を強化したのか,
格差と分裂を生みだしたのか.その特質と問題点を明らかにする.
EUは1999年に単一通貨ユーロを導入し,経済・通貨同盟の第3段階に進んだ.しかし,欧州金融危機はEUの通貨制度の脆弱さを露呈させるに至る.本書は,欧州金融危機を契機とするガバナンス改革と改革後のEMUの第3段階の展開を考察し,EUの単一通貨制度の特質と問題点を明らかにする.