内容説明
終わらない戦後。いまだ生じる多くの紛争。まだ潜在的な紛争の火種は消え去ることはなく、むしろ増加の傾向にある。我われの暮らしを脅かす紛争・戦争に対して、経済学はどう応えてきた/いく のか?直面している多くの課題に対して、共時的・通時的な視点を持ちながら、経済学から平和構築の分析を行った意欲作!
目次
戦争と平和の経済思想―経済学史からの概観
第1部 経済学の黎明期と国民国家の対立・協調(主権国家間の戦争と経済学の生成;アダム・スミスにおける国防と経済)
第2部 20世紀前半からの平和構想と経済学(エッジワースの契約モデルと戦争論―戦争状況のモデル化への試み;ヴェブレンの平和連盟構想―大戦争と未完のプロジェクト)
第3部 戦間期から戦後における平和構想と戦争概念(戦後構想における経済助言者の役割―福祉国家理念の戦時浸透;ミュルダールにおける戦争と平和―スウェーデン中立・非同盟の国際主義;冷戦期以降の戦争と経済思想―E.シューマッハー、J・ガルブレイス、K.ボールディング)
第4部 日本の戦時体制と経済思想(帝国主義・総力戦と日本の経済学者―石橋湛山とその周辺を中心として;日本陸軍の戦争経済思想―大正期から日中戦争まで;戦時における官立高等商業学校の調査機関―無力のベクトル)
経済学の浸透は国際紛争の緩和に貢献しうるか
著者等紹介
小峯敦[コミネアツシ]
1994年一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。2011年博士(経済学、一橋大学)。現在、龍谷大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)