内容説明
昭和十八年、新設される高座海軍工廠(航空機製造工場、神奈川県)の工員確保のため、海軍は台湾から優秀な少年たちを動員することにした。働きながら上級学校の卒業資格と給料がもらえるという好条件で、小・中学校の卒業予定者の中から数次にわたり志願者を募集した。厳しい選抜試験を突破、航空技師・技手を夢見て台湾から米潜水艦の潜む海を越え日本にやってきた八千四百人余の少年たち。慣れない寒さと食糧不足、激しい空襲に耐え、助け合い、競い合いながら懸命に生きた元少年工の証言。忘れてはならない日台秘史。
目次
第1章 海軍空C廠小学生を募集
第2章 高座海軍工廠
第3章 三菱重工業大江工場
第4章 川西航空機鳴尾工場
第5章 横須賀海軍工廠
第6章 高座海軍工廠に引き揚げ
第7章 祖国台湾省へ帰った元少年工
著者等紹介
劉嘉雨[リュウカウ]
1931年台湾に生まれる。1944年高座海軍工廠勤務。1946年高座海軍工廠解散、帰国。1953年台湾肥料会社新竹工場勤務。1991年高座日本語塾設立、塾長を務める。2016年10月17日歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)