内容説明
寄る辺なき洋上にただ1機、頼るべきは自らの腕と経験、そして一蓮托生のペア2人―。「敵機動部隊発見」を打電する間もなく僚機が次々に消息を絶つ魔の空で、敵機と悪天候と戦いながら苛酷な任務に従った若き搭乗員の物語。零式三座水偵、彩雲を駆って飛行時間3300時間、機動部隊索敵90回、カタパルト射出100回を数える空の男の予科練魂!
目次
第1章 雛鷲のころ―若き飛行兵たち(鹿島航空隊;単独飛行 ほか)
第2章 重巡羽黒水偵隊―開戦前夜の連合艦隊(重巡羽黒・那智;搭乗員室ドアは高級木製 ほか)
第3章 重巡妙高水偵隊―南太平洋転戦記(青春の旅;甲一期・門田兵曹の画期的新説 ほか)
第4章 重巡筑摩水偵隊―落日の連合艦隊(転勤はブイ・ツー・ブイ;軍人軍属立入禁止 ほか)
第5章 最後の艦隊偵察隊―新鋭偵察機彩雲の死闘(若い中尉機長たち;俺のペアにならんか ほか)
著者等紹介
安永弘[ヤスナガヒロシ]
大正10年(1921年)3月、福岡県宗像郡岬村に生まれる。昭和13年(1938年)3月、福岡県門司中学校卒業、4月、第二期甲種飛行予科練習生として横須賀航空隊入隊。15年(1940年)5月、二期甲飛、操縦教程修了、鎮海航空隊赴任(三座水偵操縦員)、10月、重巡羽黒乗組。16年5月、重巡妙高乗組、10月、海軍上飛曹。17年12月、ショートランド基地へ出張。18年2月、妙高に帰艦、4月、博多航空隊着任(操縦教員)、10月、重巡熊野乗組、11月、海軍飛行兵曹長。19年3月重巡筑摩乗組、11月、偵察第十一飛行隊(彩雲操縦員)。20年2月、鹿屋基地進出、5月、海軍少尉、8月、復員。戦後、家業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)