内容説明
奇襲開戦計画主義の顛末。近代国家の軍隊はどうあるべきだったのか。またその軍人たちは、いつ、どのようにして「自律」を失ったのか。23人の軍人に見る日本の興亡。日本近代軍事史の底流を見据えながら、短く濃密に、娯楽的にして探学究的な側面も併せ持つ軍人伝。当事者の重要証言や公式ペーパーが発掘される可能性がほとんどない問題にも敢えて斬り込んだ冷厳、大胆な視座からの歴史読物。現代人が近代日本人の「国防の倫理」を知り自問するためのテキスト。
目次
“雷親父”と呼ばれた工兵生みの親―上原勇作
憎まれて予備役にされた条約派―寺島健
対外国工作員としてのキャリア―板垣征四郎
「武道界」で知られた刀剣マニア―竹下勇
国家総動員を構想した統制派の創始者―永田鉄山
海軍航空造兵界に君臨した独裁者―和田操
先制攻撃開戦論の理論的提道者―小畑敏四郎
太平洋を転戦した参謀のこだわり―奥宮正武
反問する米国を宥められる役者―田中静壹空前絶後の「工学系政商将軍」の謎―南部麒次郎
無尽蔵のエネルギーを有したプロ軍人―田中隆吉
郷党と大衆運動を頼んだ政治活動家―末次信正
極秘の対ソ戦計画に殉じた軍人―梅津美治郎
寄せ集め高速艦隊の夜間運用の塾達者―南雲忠一
クレマンソー主義者の能力と誤断―高木惣吉
手柄話を粉飾する妄想の達筆官僚―小磯國昭
三国同盟に反対の昭和天皇の代理人―米内光政
シベリア事情通にして志操の堅い逸材―樋口季一郎
乃木希典が遺した最良の臣下―阿南惟幾
事務管理能力を買われた軍医総監―森林太郎
名案尽きることなく溢れる奇抜な軍人―岩畔豪雄
「プロセインの秘儀」を吸収した幕僚―兒玉源太郎
天皇の期待に背いたノンポリの武弁―畑俊六
著者等紹介
兵頭二十八[ヒョウドウニソハチ]
1960年、長野市生まれ。2009年、間接侵略対処等を多角的に研究する「日本安全保障倫理啓発機構」を立ち上げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)