内容説明
子育てを親の自己責任とするのは正しいか。子どもは早い時期から自分にとって大切な人を選択して「愛情のネットワーク」をつくり、まわりの人とのかかわり方を変えながら発達しています。本書では、縦断研究という方法で子どもたちを3歳半から8歳まで継続して調査し、真の親の役割や子育てについて私たち市民にはどのような視点が必要かを提言しています。
目次
序章 子どもの発達と「親の自己責任説」―この問題をどう解くか
1章 人はなぜ人とつながるのか
2章 人と人がつながる仕組み―「愛情のネットワーク」の内容
3章 幼児の心の発達
4章 幼児が生活する環境と親のケア
5章 「愛情ネットワーク」に個人差が生まれる理由
6章 母親、父親、そして、子どもの「愛情ネットワーク」
終章 幼児の発達の理解、そして、その先へ
著者等紹介
高橋惠子[タカハシケイコ]
東京大学大学院教育学研究科修了(1968年)、教育学博士(1972年)。国立音楽大学、創価大学、聖心女子大学を経て、聖心女子大学名誉教授
柴田玲子[シバタレイコ]
聖心女子大学大学院文学研究科修了(2006年)、博士(心理学、2007年)。臨床心理士・公認心理師。聖心女子大学准教授としてQOL研究、心理士の育成に従事し、昭和大学病院小児科などで臨床活動もしてきた。(株)前田計画研究所・MaeKenカウンセリングセンター代表
山川賀世子[ヤマカワカヨコ]
聖心女子大学大学院文学研究科修了(2007年)、博士(心理学、2008年)。臨床心理士・公認心理師。富山短期大学を経て、金沢星稜大学准教授。教員・保育者の養成、放課後児童支援員養成にかかわり、保育所・学童保育での保育相談や育児相談、園内研修なども行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
子どもが困った状態におちいったり、社会的に問題とされる行動を起こしたりすると、「親の顔が見てみたい」というように親の責任が問われがちです。子どもの望ましくない側面の原因を親の育て方のせいにして親を追及する「親の自己責任説」は、正しいといえるのでしょうか。最近では「親ガチャ」という表現もはやり、「子どもが自分では親から与えられるものを選べない」という発想が広がってもいます。この発想を傍観して子育ての結果を親だけの責任にしてしまうのは、果たして許されてよいことなのかという問いに、発達心理学の領域で使われる縦断研究という方法で得られたデータを使って答えようというのが、本書のねらいです。
目次より
はじめに
序章 子どもの発達と「親の自己責任説」――この問題をどう解くか
1.何が,問題か
2.この縦断研究の特色
3.研究の計画
4.本書の構成
1章 人はなぜ人とつながるのか
1.人とつながる理由
2.大切な人々とのつながり――三つの円による測定
3.つながりの内容をとらえる――「愛情のネットワーク」
4.「愛情のネットワーク」の測定
5.子どもの「愛情のネットワーク」の測定
6.まとめ
2章 人と人がつながる仕組み――「愛情のネットワーク」の内容
1.複数の重要な人とつながる
2.重要な人々とのそれぞれのつながり
3.「愛情のネットワーク」の6年間の軌跡
4.まとめ
3章 幼児の心の発達
1.発達を測定する
2.社会・情動的発達
3.認知的発達
4.まとめ
4章 幼児が生活する環境と親のケア
1.幼児の生活環境
2.親のケアの性質
3.親の心身の健康と子どもについての認識
4.まとめ
5章 「愛情のネットワーク」に個人差が生まれる理由
1.重要な人の選択と子どもの発達
2.愛情要求の対象の選択と生活環境
3.愛情要求の対象の選択と親のケア
4.まとめ
6章 母親,父親,そして,子どもの「愛情のネットワーク」
1.母親と父親の 「愛情のネットワーク」
2.母親と父親,親と子の「愛情のネットワーク」の関連
3.子どもの「愛情のネットワーク」についての両親の認識
4.まとめ
終章 幼児の発達の理解,そして,その先へ
1.幼児の人間関係の真実
2.幼児の発達の重要な性質
3.「親の自己責任説」をどう超えるか
おわりに