内容説明
狂言作品研究の可能性を切り拓く。いまだ蓄積の少ない狂言作品研究の可能性を二十数年にわたって追究した諸論を1〜7の7部に分けて収める。諸流台本の系統的な把握を基礎とし、類曲や説話(談義・注釈)世界を広く視野に入れながら、太郎冠者物をはじめとする多様な狂言作品の形成・構想・演出を分析する。著者による狂言作品論の初の集成。
目次
1 劇中人物への視点
2 作品研究(一)―太郎冠者物の方法
3 作品研究(二)―翁猿楽(三番叟・風流)との関連
4 作品研究(三)―説話(談義・注釈)世界との関連
5 作品研究(四)―作劇の諸相
6 作品研究(五)―番外曲考
7 狂言小舞の研究
著者等紹介
稲田秀雄[イナダヒデオ]
1957年京都府京都市生まれ。同志社大学文学部文化学科卒業、同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。京都市立日吉ヶ丘高校教諭、山口女子大学文学部講師、山口県立大学(山口女子大学を改称)国際文化学部助教授を経て、山口県立大学国際文化学部教授。主な研究領域は、能・狂言を中心とする日本中世劇文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)