内容説明
第一部では、従来混沌とした世界と考えられてきた『太平記』後半部分の構想の解明を試み、さらに『明徳記』の叙述と時代状況との関わりを論じる。第二部では、『太平記』が未曾有の動乱を描くに際して獲得していった独自の手法を浮き彫りにし、加えて、天正本『太平記』の特質とその背景に迫る。
目次
第1部 『太平記』・『明徳記』の構想(「北野通夜物語」と後醍醐天皇の怨霊;「北野通夜物語」の構想;万里小路藤房と『太平記』第三部世界;『大平記』における公武対比記事の構想;『太平記』における北条氏の治世 ほか)
第2部 『太平記』の展開(「北野通夜物語」問民苦使記事における文献利用の方法;『太平記』における大内裏造営記事の方法;『太平記』と西園寺家;天正本『太平記』における北朝;天正本『太平記』における真言関係記事の増補 ほか)
著者等紹介
大坪亮介[オオツボリョウスケ]
1981年大阪府生まれ。2004年大阪市立大学文学部卒業。2013年大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(文学)。現職、大阪大谷大学文学部講師。専攻、中世日本文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)