内容説明
結婚したばかりの妻に天国での再会を誓う銃殺前夜の手紙。実家の農家の収穫を心配し、手伝えないことを家族に詫びる手紙。塹壕でのつらい日々を母に、恋人に訴える手紙。ラジオ番組の呼びかけに応えて、納屋や屋根裏に仕舞われた、たくさんの古い手紙が集まった。若い命が意味もなく奪われ続ける第一次世界大戦の戦地にて、必死の思いで綴られた「ラブレター」は、読む者の心をゆさぶらずにはおかない。
目次
最初の夏
秋
冬
春
夏
最後の秋
エピローグ
著者等紹介
ゲノ,ジャン=ピエール[ゲノ,ジャンピエール] [Gu´eno,Jean‐Pierre]
1955年生まれ。ラジオ・フランス出版局長、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
愛する者へ、最後のメッセージ
家に残した妻への甘い愛の囁き、敵兵のヘルメットをねだる息子に戦場の花を摘んで贈る父の思い、平和への願い、死の恐怖―。
極限状況下で、大切なひとへ宛てて綴られた兵士たちのことばが100年の時を超え、こだまする。
「ドイツ軍の銃弾も約束するよ。今度、持って帰る。でも、ドイツ軍のヘルメットは無理かもしれない。今、ドイツ兵からヘルメットを取り上げるのは、時期が悪い。とても寒いから風邪を引いてしまうかもしれない。それにね、モーリス、考えてごらん。ドイツ人だって僕たちと同じなんだよ。もし、ドイツの子供がお父さんにお前と同じようなおねだりをして、ドイツ兵がフランス軍のケピ帽を持ち帰ったとするだろう。その帽子が父さんのケピ帽だったら、お前、どう思う?」
(本文より)
ジャン=ピエール・ゲノ[ジャン ピエール ゲノ]
1955年生まれ。ラジオ・フランス出版局長、作家。編著書に『星の王子さまのメモワール:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの軌跡』(大林薫訳、駿河台出版社)など。本書の続編として、第二次世界大戦、アルジェリア戦争の兵士の書簡集も刊行。
永田 千奈[ナガタ チナ]
フランス語翻訳者。主な訳書にA.モレリ『戦争プロバンダ 10の法則』(草思社文庫)、D.ボナ『印象派のミューズ』(白水社)など。