内容説明
経済や社会から排除された人々を再び包摂する活動を行うNPOは、市民社会を創れなかったのか?新自由主義的な政策が急速に進んだ四半世紀を、経済社会学・社会政策学・社会福祉学の知見を総動員して分析。“ロスジェネ世代”の著者が国内外で報告を重ねて完成させた渾身の書。
目次
第1章 社会的排除/包摂とNPO―果たすべき役割への期待と課題
第2章 NPO法人の実態と「事業型NPO」
第3章 事業型NPOの特徴とその発展課題―京都府NPO法人の財務データ分析から
第4章 準市場におけるNPOの変容?―介護保険制度下における非営利=営利のせめぎあい
第5章 NPO概念の定着と社会的企業概念の拡散―NPOから「ソーシャル」へ
第6章 ソーシャル・イノベーションの普及過程―長野の宅老所事例分析
第7章 社会的企業設立時のNPO・営利企業の選択―コミュニティへの志向による違いの分析
第8章 若者就労支援団体による社会関係の埋め込み
第9章 コミュニティビジネスにおけるソーシャル・キャピタルの制約―当事者主体という罠
第10章 結論と見通し―カナダの社会的企業の検討から対抗条件を探る
著者等紹介
桜井政成[サクライマサナリ]
立命館大学政策科学部教授。1975年長野県生まれ。立命館大学大学院政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。専門社会調査士。立命館大学ボランティアセンター主事、同助教授、立命館大学政策科学部准教授等を経て、2015年より現職。2013年から2014年までトロント大学客員教授。専門は社会学。研究対象はNPO、社会的企業、ボランティア活動、地域福祉、コミュニティ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)