創られた「天皇」号―君主称号の古代史

著者:新川 登亀男【著】
出版社:吉川弘文館

商品説明

内容説明

天皇という称号は、いつから使われるようになったのか。中国に起源をもつ成り立ちや含意をひもとき、天子・皇帝ほかの呼称があったなか天皇が選択された理由に迫る。称号をつうじて、日本国家のかたちを問いかける。



目次

1 二度創られた「天皇」号(新「天皇」号の誕生;旧「天皇」号への視点)
2 八世紀の「天子」と「皇帝」(『続日本紀』のなかの「天子」;危機再生の「天子」;「天子」聖武の前史と課題;創られる「天皇」聖武;「天子」と「皇帝」になる「天皇」;「天皇」をめぐる「業」と「政」と「心」;「天皇」と仏教)
3 『日本書紀』のなかの君主と「尊」(ミコト)字称(歴史記述としての『日本書紀』;仮借漢語と和語;ふたつの「尊号」;理想としての「尊」字称;「尊」字称の展開;「尊」字称と「天」子称;「跏趺坐」する「倭王」;「天」は「兄」、「日」は「弟」)
4 「ミコト」と「尊」「命」字称の成り立ち(和語「ミコト」の漢語(字)表記
「ミコト」の諸相
「ミコト」の発語と「命」字採用
「尊」字採用の「ミコト」)
5 『隋書』倭国伝の「倭王」(隋への「倭王」情報;「タリシヒコ」の構造と歴史)



著者等紹介

新川登亀男[シンカワトキオ]
1947年、広島県に生まれる。1975年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程退学。大分大学講師、日本女子大学助教授、早稲田大学教授を歴任。2023年、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

天皇という称号は古代に起源をもつが、じつは長く使用されなかった。もともとは漢語で、中国思想とのかかわりなどから、その成り立ちや含意をひもとく。天子・皇帝ほか君主の呼称が多くあったなか、なぜ天皇が選択されスメラミコトという和語と結びついたのか。天皇位の系譜をたどり、称号をめぐる考察をつうじて、日本国家のかたちを問いかける。
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