内容説明
「日本美術」は明治国家によって創られた。維新後、近代世界システムに積極的に参入していった明治日本は、西欧の国家と美術の関係を参照しながら、「日本国家としての美術」の構築を目指したのである。近代日本の美術行政・制度や美術と美術史をめぐる言説、さらに画家・美術団体などを論じ、近代に構築された美術の意味と認識の構造を問う。
目次
序章 美術史学の現在
明治美術と美術行政
「美術」と階層―近世の階層制と「美術」の形成
美術と経済―殖産興業とジャポニスム
美術史学の成立と展開
「画」と漢字
雅号と理想の世界観
「写実」「写真」「写生」
「歴史」と「人間」
狩野派の終焉
狩野芳崖の歴史評価の形成
河鍋暁斎の歴史評価の形成
出版社内容情報
近代日本の美術行政・制度や美術と美術史をめぐる言説などを論じ、近代に構築された美術の意味と認識の構造を問う。