内容説明
工場の建物の形、部品の組み立て方、伝票のやりとりの工夫。現場を熟視する歴史家の「虫の目」は何を見たのか?
目次
序
第1章 イギリスにおける革新 産業革命期の多層階綿工場はどのように管理されたのか?(課題の設定 多層階の綿工場の内部はどうなっていたのか?;産業革命期から19世紀末までの綿工場の変遷 概観;多層階綿工場の内部はどのように編成されていたか?2事例の検討 ほか)
第2章 アメリカにおける革新 スプリングフィールド工廠の「緻密」な管理はどのように遂行されたのか?(なぜスプリングフィールド工廠を対象とし、どの時期を扱うのか?;スプリングフィールド工廠はどこに立地し、敷地内はどのようになっていたか?;スプリングフィールド工廠における管理 緻密な記帳による資材移動の管理、部品の全数チェック ほか)
第3章 日本における革新 「ものづくり現場」での「伝票」の役割はどのようなものなのか?(日本の「ものづくり現場」でよく使われている用語;日本のものづくり現場で飛び交う用語「伝票」とは?;メトカーフとはどのような人物で、どのような提言をしたのか? ほか)
結
著者等紹介
和田一夫[ワダカズオ]
東京大学名誉教授。1973年一橋大学商学部卒業、1975年一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了、1978年同博士課程単位取得退学、1987年ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス大学院博士課程修了、1989年ロンドン大学博士(Ph.D)。南山大学経営学部講師、助教授、東京大学経済学部助教授を経て、同大学院経済学研究科教授、2007〜2020年東海学園大学経営学部経営学科教授。主要著作、『ものづくりの寓話―フォードからトヨタへ』名古屋大学出版会、2009年(日経・経済図書文化賞、産業技術史学会賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
産業革命期の綿紡績工場の多層階の建物はどのように設備が設置されどのような管理が行われていたのか,互換性部品製造の工廠内部はどのように管理されていたのか,「伝票」はものづくり現場で,なぜ,いつ頃から使われるようになったのか──緻密に追究する。