内容説明
「市場経済をいかにとらえるか」という現代的課題に従って、経済思想を再解釈し位置づけ直した、新しいテキスト。近代化と市場経済の発展とともに展開してきた「経済学」を、各経済学者とその時代の課題との格闘としてとらえ、市場経済像の形成・展開という視点から描く、魅力的な試み。戦後半世紀を含む現代までをも対象に組み入れた。
目次
序章 なぜ経済学の歴史を学ぶか―経済学史の役割
第1章 市場経済の発展と古典派経済学
第2章 市場経済の総体的批判―マルクスの経済思想
第3章 市場理論の形成―新古典派経済学
第4章 現代の市場経済―経済学の革新
第5章 現代経済学における市場経済像
著者等紹介
中村達也[ナカムラタツヤ]
1941年秋田県生まれ。1971年一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、中央大学商学部教授(専攻は社会経済学)
八木紀一郎[ヤギキイチロウ]
1947年福岡県生まれ。1978年名古屋大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院経済学研究科教授(専攻は社会経済学、経済学史)
新村聡[ニイムラサトシ]
1953年東京都生まれ。1982年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、岡山大学経済学部教授(専攻は経済学史)
井上義朗[イノウエヨシオ]
1962年千葉県生まれ。1991年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、中央大学商学部助教授(専攻は現代経済理論、近代経済学史)
出版社内容情報
「市場経済をいかにとらえるか」という現代的課題に従って,経済思想を再解釈し位置づけ直した,網羅的概説書の先を行く,新しい「経済学史」のテキスト。各経済学者とその時代の課題との格闘を見つめ,市場経済へ向けられるべき視座を養い,その総合的理解をめざす。
《主な目次》
序 なぜ経済学の歴史を学ぶか…八木紀一郎
1 市場経済の発展と古典派経済学…新村 聡
市場経済の生成と古典派以前の経済思想
市場経済の発展と経済学の成立
産業革命以後の古典派経済学の展開
2 市場経済の総体的批判‥マルクスの経済思想…八木紀一郎
市場経済の道徳的批判から理論的批判へ
市場経済批判の原理的展開
帝国主義と社会主義
3 市場理論の形成‥新古典派経済学…井上義朗
新古典派経済学とは何か
普遍的市場経済論の展開
経験的市場経済論の展開
新古典派市場経済像の総括
4 現代の市場経済‥経済学の革新…八木紀一郎・井上義朗
貨幣的経済論
市場理論の革新
市場の理論から市場経済の理論へ
5 現代経済学における市場経済像…中村達也
混合経済と経済成長下の経済学
成長経済の転換と反ケインズ経済学
周縁からの経済学批判
市場経済と制度をめぐって