内容説明
アステカ王がコルテスに贈った工芸品、メディチ家やハプスブルク家のコレクションとしてヨーロッパ各地に散ったモザイクや羽毛細工の名品たち。歴史のなかで翻弄されたアステカ工芸品を通して、一国史を超えたヒトとモノの交流を考える。
目次
最初の衝撃―アステカ王の献上品
旅する工芸品―メキシコから「芸術の間」へ
アステカ王の羽根飾り―ウィーンの真実
メディチ家のはるかなるメキシコ―実利と科学
巡礼者から観察者へ―アルドロヴァンディ先生の自然史コレクション
ワンダールームを覗く―教会人ジガンティの展示室
コレクションは目で見る詩―コスピ侯爵のノスタルジア
散逸したボローニャ・コレクション―近代国家と公立博物館
大英博物館―学者とコレクター
孤立と不屈―ゼリア・ナトルの世紀末
最後のメキシコ皇帝―里帰りしたアステカの盾
著者等紹介
落合一泰[オチアイカズヤス]
1951年東京都生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授、2010年より一橋大学理事・副学長。東京大学卒業、同大学院修士課程修了、ニューヨーク州立大学にて博士号(Ph.D.)。専門は文化人類学。現在マヤ文化研究で第2回クリストファー・デコルミエ賞受賞(1982)。メキシコ国立人類学歴史学研究所、ハーヴァード大学、マニラ・デラサール大学、ボローニャ大学、マドリード・コンプルテンセ大学にて客員教授・客員研究員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
16世紀以降、ヨーロッパの王侯貴族のあいだで流行った珍品コレクション。メキシコからヨーロッパへ海を渡ることになったアステカ工芸品を通じて、コレクションの意味と工芸品にかかわった人々の姿を探る。