内容説明
理論を深く理解するための一冊。イジングモデル、量子スピングラスに焦点を当て、詳細に解説。
目次
1章 導入
2章 古典スピン系―強磁性体Isingモデルとスピングラスモデル
3章 シミュレーテッドアニーリング
4章 量子スピングラス
5章 量子ダイナミクス
6章 量子アニーリング
著者等紹介
田中宗[タナカシュウ]
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科准教授。早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構客員准教授ならびに東京工業大学国際先駆研究機構客員准教授を務める。専門分野は統計力学、物性理論、計算物理学。現在は、量子アニーリングやIsingマシンのハードウェア・ソフトウェア開発の基礎、応用探索研究を推進している。さらに、情報処理推進機構未踏ターゲット事業において、アニーリングマシン向けソフトウェア開発人材育成に従事している。また、“Kinki University Series on Quantum Computing”4冊の編集を担当。『弱点克服 大学生の熱力学』(東京図書)を共著で執筆。第9回日本物理学会若手奨励賞(2015年)を受賞
田村亮[タムラリョウ]
国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)主幹研究員。東京大学大学院新領域創成科学研究科講師を務める。専門分野はマテリアルズ・インフォマティクス、統計力学、計算物質科学。情報科学手法や、量子アニーリング・Isingマシンを利用した材料開発を実施している。また、情報処理推進機構未踏ターゲット事業においてプロジェクトマネージャーを務め、理化学研究所革新知能統合研究センター(AIP)客員研究員も務める。『弱点克服 大学生の熱力学』(東京図書)を共著で執筆。第15回日本物理学会若手奨励賞(2021年)を受賞
Chakrabarti,Bikas K.[CHAKRABARTI,BIKAS K.] [Chakrabarti,Bikas K.]
インドのコルカタにあるサハ核物理研究所(SINP)教授。破壊の物理学、量子ガラス、最適化、脳モデリング、経済物理学などの学際的な科学に関心をもつ。1997年にS.S.Bhatnagar Prizeを受賞。また、アメリカ物理学会のOutstanding Referee Awardを受賞(2010年)。インド国立科学アカデミー、インド科学アカデミーのフェローも務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
量子アニーリングの理論を詳しく解説した一冊。
本書では、イジングモデルの数理や量子アニーリング研究の基本的な部分に焦点を当てている。特に、スピングラスの量子統計物理学とその組合せ最適化問題への応用について、詳しく解説している。また、量子アニーリングを理解する上で重要な、シミュレーテッドアニーリング、量子ダイナミクス、古典スピンモデルに関する記載も十分に紙数を割き、本分野の理解が深まるようにした。
量子アニーリングやイジングマシン、統計物理学を学びたい研究者・エンジニア・学生にとって、有用な書籍である。
[原著]Quantum Spin Glasses Annealing and Computation (Cambridge University Press 2017)