内容説明
二〇〇〇年にポメランツが『大分岐』を上梓して以降、ヨーロッパが中国よりも経済的に優勢であったのではなく、近世(一五〇〇〜一八〇〇年)のある時期、中国がヨーロッパの経済力を上回っていたということが、世界の経済史学界のコンセンサスになった。本書は、このような研究動向を咀嚼しつつ、計量経済学の成果とともに、環境史・農業史・科学史の観点を含め、中国とヨーロッパの比較を行う。グローバル経済史の碩学による最新の大分岐論。
目次
第1章 研究史整理と文献紹介
第2章 中華帝国と西欧の経済的分岐に関する統計ベース―一六三六〜一八三九年
第3章 環境と天然資源
第4章 明清という帝国主義国家とその農業経済
第5章 ヨーロッパと中国の相互比較―経済成長一六五〇〜一八五〇年
第6章 ヨーロッパと中国における有用で信頼のおける知識の発見・発展・普及
終章 論争をともなう結論
著者等紹介
玉木俊明[タマキトシアキ]
1964年生まれ。現在、京都産業大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
2000年にポメランツが『大分岐』を上梓して以降、ヨーロッパが中国よりも経済的に優勢であったのではなく、近世(1500年から1800年)のある時期、中国がヨーロッパの経済力を上回っていたということが、世界の経済史学界のコンセンサスになった。本書は、このような研究動向を咀嚼しつつ、計量経済学の成果とともに、環境史・農業史・科学史の観点を含め、中国とヨーロッパの比較を行う。グローバル経済史の碩学による最新の大分岐論。