MINERVA西洋史ライブラリー 十七世紀イギリス財政史論―「国王私財」と二つの革命

著者:酒井 重喜【著】
出版社:ミネルヴァ書房

商品説明

内容説明

「国王は自活しなければならない」と「合意なければ課税なし」という二つの財政原則は、国王と議会がそれぞれの「独立」を互恵的に認める均衡体制としての中世的混合王政を支えるものであった。17世紀イギリスでは国王が支弁すべき経常費が著増しその財源である「国王私財」は減価していた。このギャップを埋めるために国王は独立性を犠牲にして議会依存を強めるか、独立性に固執して財政封建制を展開するほかなかった。17世紀の国王は議会依存と親政断行の間で揺れ動いた。親政による財政封建制の強化は清教徒革命を惹起し「国王私財」は破砕された。王政復古による「国王私財」の三大間接税による擬似的再生はその著増によって国王を専制化させ名誉革命を惹起し、それは「国王私財」をシヴィル・リストへと縮減した。清教徒革命・王政復古・名誉革命の激動の中で「国王私財」は破砕・再生・縮減を経験し、それによって混合王政は絶対王政でなく制限王政として再構成された。



目次

1 「国王私財」補強と議会特権(「国王私財」としての王領地―財政と恩顧の矛盾;ジェイムズ一世の王領地改革―謄本保有の自由保有化;ジェイムズ一世「十年の親政」における非議会的収入の模索;一六二〇年代の議会の「財布の支配」―供与の承認と苦情の救済の一体性;チャールズ一世「十一年の新政」直前の議会の関税論議)
2 「国王私財」の擬似的再生(王政復古期財政の過渡性―議会税からなる「国王私財」;チャールズ二世の「ドーヴァーの密約」―フランス資金依存と議会からの自由;チャールズ二世の「国庫支払停止」―金匠銀行家の衰微と長期債の生成)
3 「国王私財」からシヴィル・リストへ(ウィリアム三世第一議会の「歳入」確定―関税四年限定承認の意義;ウィリアム三世のシヴィル・リスト―「国王私財」縮減と混合王政の転換)



著者等紹介

酒井重喜[サカイシゲキ]
1949年兵庫県竜野市(現たつの市)に生まれる。1971年京都大学経済学部卒業。1973年京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。1976年京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。1976年熊本商科大学(現熊本学園大学)経済学部講師、81年助教授、85年教授。1991年経済学博士(京都大学)。2019年熊本学園大学定年退職。現在、熊本学園大学シニア客員教授。熊本学園大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

「国王は自活しなければならない」と「合意なければ課税なし」という二つの財政原則は、国王と議会がそれぞれの「独立」を互恵的に認める均衡体制としての中世的混合王政を支えるものであった。17世紀イギリスでは国王が支弁すべき経常費が著増しその財源である「国王私財」は減価していた。このギャップを埋めるために国王は独立性を犠牲にして議会依存を強めるか、独立性に固執して財政封建制を展開するほかなかった。17世紀の国王は議会依存と親政断行の間で揺れ動いた。親政による財政封建制の強化は清教徒革命を惹起し「国王私財」は破砕された。王政復古による「国王私財」の三大間接税による擬似的再生はその著増によって国王を専制化させ名誉革命を惹起し、それは「国王私財」をシヴィル・リストへと縮減した。清教徒革命・王政復古・名誉革命の激動の中で「国王私財」は破砕・再生・縮減を経験し、それによって混合王政は絶対王政でなく制限王政として再構成された。




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