内容説明
藤原定家の記した『明月記』は五六年にわたる克明な記録で歴史的価値の高いものであるが、難解な漢文で書かれており理解は容易でなかった。本書では『明月記』に平易な解説がほどこされており、誰もが『明月記』をとおして中世の世相や風俗を知ることができるよう配慮されている。
目次
『明月記』転変八百年
俊成の五条京極亭焼亡―洛中の火災頻々
俊成と子女たち―一夫多妻時代
世界が驚いた天文記録―大流星・超新星
紅旗征戎は吾が事にあらず―乱逆の軽視
高倉院崩御―末代の賢王を慕う
剛毅の女房の生涯―健御前の『たまきはる』
九条家四代に仕える―浮沈を共にする主家
定家の家族と居宅―西園寺家との縁組
荘園経営の苦労―横領・地頭・経済生活〔ほか〕
著者等紹介
稲村榮一[イナムラエイイチ]
1929年島根県生まれ。1958年島根大学教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
地上の激動から天空のオーロラ観察まで
読解に半生をかけた著者による『明月記』案内
藤原定家の記した『明月記』は56年にわたる克明な記録であり、歴史的価値の高いものであるが、難解な漢文で書かれており理解は容易でなかった。本書では『明月記』に平易な解説がほどこされており、誰もが『明月記』をとおして中世の世相や風俗を知ることができるよう配慮されている。