内容説明
1968年、先進国を中心に同時多発的に起こった社会運動は、日本社会を学園闘争という混乱に巻き込んだ。そのグローバルな流れを作っていったのは、前史としての世界状況なのか。また、結果として生まれた「新しい社会運動」は、現在のわれわれに何を遺しているのか。本書は、68年の非体験世代が、保守・リベラルにこだわらず「1968年」を立体的に捉える現代史の試みである。
目次
なぜ今「1968年」なのか
第1部 何が「1968年」を引き起こしたのか(ベトナム戦争の余波;第三世界の現実;新左翼の台頭;サブカルチャーが社会を変える)
第2部 世界の「1968年」(アメリカ―運動の盛衰と文化変容;西ドイツ―APO;フランス―5月革命;イギリス―ニューレフト;チェコスロヴァキア―プラハの春;中国―文化大革命が遺したもの;日本―全共闘とベ平連)
第3部 ポスト「1968年」(“新しい女性運動”とその後;新しい環境運動;知の変遷)
著者等紹介
西田慎[ニシダマコト]
2005年哲学博士(Dr.phil.,ハンブルク大学)。2006年ドイツ・ハンブルク大学社会科学部政治学科博士課程修了。現在、奈良教育大学教育学部准教授
梅崎透[ウメザキトオル]
2003年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。2013年コロンビア大学大学院歴史学科博士課程修了。Ph.D.(アメリカ史)。現在、フェリス女学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)