出版社内容情報
「人類の健康と地球環境の健全性を一体として捉えるプラネタリーヘルスは、気候変動、感染症、食糧安全保障といった学際的課題を統合的に理解するための基盤概念。本書は、その理論的背景と国際的な潮流を踏まえ、最新の知見を平易かつ正確に解説している」
五十嵐圭日子(東京大学プラネタリーヘルス研究機構・機構長)
「待望の、わが国発のプラネタリーヘルス入門書。著者の現場や国際機関での経験に基づいた、価値ある最新作。一気に読んでください」
北潔(長崎大学プラネタリーヘルス学環熱帯医学グローバルヘルス研究科長、東京大学名誉教授)
気候変動、海洋酸性化、生物多様性の損失、大気汚染――。
このまま地球が病み続ければ、人類が生き残れない未来がやってくる。
地球と人をともに健康にし、地球の生物圏全体のウェルビーイングを達成する〈プラネタリーヘルス〉という概念。それは、学際的な研究成果とイノベーションを結集し、100年、200年先を見すえる全人類規模の運動でもある。この〈プラネタリーヘルス〉にコミットするための、待望の入門書。
【目次】
はじめに
第1章 プラネタリーヘルスとは何か?
1 「ヘルス」とは?
2 プラネタリーヘルスの誕生と定義
3 プラネタリーヘルスの世界への広がり
第2章 地球の限界と現状
1 人類活動の大加速と人新世(アントロポセン)の時代
社会経済システム指標/地球システム指標
2 プラネタリーバウンダリー(Planetary Boundaries)
9つのシステム[1 気候変動/2 成層圏オゾン層の破壊/3 海洋の酸性化/4 生物圏の一体性/5 生物地球化学的循環/6 淡水利用/7 土地利用の変化/8 大気エアロゾルによる負荷/9 新規化学物質(Nouvel entities)]/関連性・連鎖反応
3 地球の限界や持続可能性を示す指標
エコロジカル・フットプリント/アース・オーバーシュート・デー/環境危機時計/生きている地球指数/グローバル報告書とポリクライシス
第3章 プラネタリーヘルスが人間に及ぼす影響
1 気候変動
異常気象による健康影響/災害による健康影響/食糧問題による健康影響/水不足による健康影響/感染症流行
2 成層圏オゾン層の破壊
3 海洋の酸性化
4 生物圏の一体性
5 生物地球化学的循環
6 淡水利用
7 土地利用の変化
8 大気エアロゾルによる負荷
9 新規化学物質
10 都市化
11 戦争・紛争・テロ
12 移民
13 非感染症疾患
14 メンタルヘルス
第4章 プラネタリーヘルスの課題の実例
1 ミャンマーのサイクロン・ナルギス
2 アフリカの角の大干ばつ
3 インドネシアの森林火災
4 旧ソ連のアラル海問題
5 エボラウイルス病の発生・流行
第5章 解決策――私たちにできること、すべきこと
1 基本的な考え方と主要な視点・アプローチ
基本的な考え方/見える化・数値化の必要性/持続可能な開発目標(SDGs)やESGとの連携・協働/資源動員/情報・教育・コミュニケーション(IEC)/システム思考、システム強化、マルチセクターアプローチ/社会正義・倫理・責任/安全保障、人間の安全保障、健康安全保障/パラダイムシフトと経済/研究開発とイノベーション
2 プラネタリーヘルスの主要課題に対する主な取り組み
気候変動/成層圏オゾン層の破壊/海洋の酸性化/生物圏の一体性/生物地球化学的循環/淡水利用/土地利用の変化/大気エアロゾルによる負荷/新規化学物質/都市化/災害・緊急事態/フードシステム/感染症/非感染症疾患/メンタルヘルス
3 それぞれのレベル・立場でできること、すべきこと
国際レベルでできること、すべきこと/政府ができること、すべきこと/地方自治体・地域レベルでできること、すべきこと/都市でできること/研究・教育機関ができること/企業・事業者ができること/民間慈善財団が