内容説明
真珠湾、強制収容、憲法裁判、第442連隊、ダッハウ、広島、戦後―日米開戦により悲運に見舞われた在米日系人らの苦闘を、4人の二世を主人公に描く。『ヒトラーのオリンピックに挑め』の名手による大河ノンフィクション。クリストファー賞受賞。全米公共ラジオ(NPR)「私たちの愛読書」(2021年)
目次
プロローグ
第一部 衝撃
第二部 追放
第三部 コトンクスとブッダヘッズ
第四部 千人針
第五部 地獄への門
第六部 帰郷
エピローグ
著者等紹介
ブラウン,ダニエル・ジェイムズ[ブラウン,ダニエルジェイムズ] [Brown,Daniel James]
アメリカのノンフィクション作家。サンフランシスコ湾岸地域で育ち、ディアブロ・ヴァレー・カレッジ、カリフォルニア大学バークレー校、同ロサンゼルス校に学ぶ。サンノゼ州立大学、スタンフォード大学でライティングを教えたのち、テクニカルライター&エディターをへて、専業のノンフィクション作家となる。前著『ヒトラーのオリンピックに挑め(The Boys in the Boat)』(Viking、2013。邦訳早川書房)は発行部数300万部超のミリオンセラーとなり、22か国以上で刊行された
森内薫[モリウチカオル]
翻訳家。上智大学外国語学部フランス語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
1941年12月7日(現地時間)、ハワイ・オアフ島の真珠湾を日本海軍の機動部隊が襲い、日米が開戦。日系アメリカ人の日常は一変した。
ハワイに生まれ、日本軍の空襲を目の当たりにしたカッツ・ミホ。一家で農地を追われ、砂漠地のポストン収容所に強制収容されたルディ・トキワ。家業のクリーニング店の客足が途絶えたフレッド・シオサキ。3人は、差別や葛藤をへて米陸軍の日系人部隊・第442連隊戦闘団に入隊し、欧州の激戦地へと送られる。対照的に、シアトルに住むゴードン・ヒラバヤシは当局の指示に背いて収監され、日系人に対する措置の違憲性をめぐって法廷闘争を決意する。
広島や鹿児島、静岡など日本各地出身の両親のもとに生まれ、アメリカ市民として育った4人の二世を主人公に、不条理と闘った日系人たちの群像を精緻に描く。『ヒトラーのオリンピックに挑め』の著者がおくる新たなノンフィクションの名編であり、戦後80年をへて価値を増す生きた証言録。写真51点を収録。序文トム・イケダ(Densho元事務局長)。